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日本−アルジェリア センター生誕の記

渡辺 伸 
1964年外務省入省、アラビストとしてレバノン、エジプト、クウェイト、サウディアラビアに勤務。駐アラブ首長国連邦大使を経て、1996年8月より2001年3月まで駐アルジェリア大使。2001年6月退官

 7月5日、アルジェリア独立第39周年記念日に「日本―アルジェリア センター」は小さな産声をあげた。日本には少なからずのアルジェリア・ファンがいる。アルジェリアにも少なからずの日本・ファンがいる。これらの人が一緒になって両国関係増進のために何かできないであろうか。同じ気持ちを持つ人たちをネットワークで結んだらどうだろうか。センター設立の基本的狙いはそこにある。

 日本にはアルジェリア独立以前の1950年代末に遡り、故宇都宮徳馬氏が長きにわたって率いてこられた日本アルジェリア協会があり、この協会は両国関係史の中で意義ある役割を果たしてきた。しかし、1980年代末以降のアルジェリア情勢の混迷が主たる理由で両国関係全般が停滞し、協会の活動も事実上の休眠状態に陥った。 ここ1−2年アルジェリアは経済建設を柱とする新たな国造りの段階に入った。協会の活動も工夫を凝らしつつ、再活性化すべき時が来た。このセンターの活動がその一助となれば幸いである。

 センター設立の第3の狙いは、わが国における若手アルジェリア研究者の育成である。いずれの国とであれ、友好関係増進の基礎となるのはその国についての多面的角度からの研究である。10年にわたったアルジェリア危機はこの面でも大きな断絶を招いた。このセンターが研究者間の交流を通じて新しい世代の研究者を育てる媒体になればと思う。もちろん、アルジェリアにおける日本研究も促進される必要があり、センターが両国研究者間のネットワークになることも期待する。

  この構想については、柿澤弘治衆議院議員(日本アルジェリア協会会長)、室伏稔伊藤忠会長(経団連アルジェリア委員会委員長、当時)、重久吉弘日揮社長(経団連アルジェリア委員会委員長)にお諮りし、また、長年アルジェリア研究をしてこられた福田邦夫明治大学教授(日本アルジェリア協会事務局長)、小堀巌国連大学顧問、宮治一雄恵泉大学教授、私市正年(上智大学教授)、そしてアルジェリアと緊密な関係を維持してきた一部企業の幹部の方々とも相談した。また、新任のベンジャマ・アルジェリア大使と協議を重ねたことも言うまでもない。ベンジャマ大使はこの構想に全面的な賛意を示された。

 多少拙速であっても、とにかく第一歩を踏み出すことが肝要である。上に挙げたような方々のご理解と応援を得つつ、同じような志を持つ方々とともにセンターを立ち上げてみたい。柔軟に試行錯誤を重ねながらセンターの活動が漸進的に実のあるものになっていけばと思う。日本においてアルジェリアに関心を持つ方々、アルジェリアにおいて日本に関心を持つ方々、そして両国関係の増進を願う方々のご支援とご協力をお願いする。